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棟梁と弟子の裏話

棟梁「 おい!いっぷく 一休み・・」 小僧にとっては休み時間も仕事の一部です。
   
   うるさい棟梁の話を聞かなくてはなりません。
   
   「今回のこの家はチョット難物だぞ・・解るか?お前よ・・」

小僧「はい」と言いつつ・・「何処が・・ですか?」

棟梁「何処がって おまえよ」「長持ちして住んで気持ちの良い家」とは贅沢じゃないか・・・

小僧「贅沢ってこの家が・・」小僧は豪華に見えないようです。

棟梁「バカ者! 」「お客様が気持ちの良い家って言ったろ!」

   「夏、窓を開ければサーと涼しくなるんだ、冬は温かい、結露しない、カビがでない、湿気ない」

   「窓を開ければホコリが外に出る、空気が美味しい」そんな家を造るんだよ・・・「頭痛いな」
   
   「庇も長さや出がなぁ・・」「掃き出し窓もなぁ・・」「単価の事もなぁ・・」「壁の厚みと断熱もなぁ」

   「屋根と小屋裏空間もなぁ」「自然素材はクレームがなぁ」「まっ!覚えておきな!」
   
   説明が無いまま小僧は理解しなければなりません。頭があればその内に覚えます。

棟梁「おまえは10年で覚えてもお客様は今この瞬間の時間しか無いんだよ。」

   「そこを考えてやらないとなぁ」

小僧「気持ちいい家造るんで・・」「ふ〜ん」「はい解りました」と取りあえず 返事だけします。

棟梁「頭痛いなぁ」「お客の気持ちがなぁ」と休み時間が終わりました。

   健康な家には多くの希望を断念する勇気も必要です。

   それは間取りであったり 材料であったり お金であったりと解決つかない事が多いのです。

   家は全て満足とならない事が多く「こんなにお金出したのに・・もう一度建てたい」となります。

   その満足度は千差万別です。